About有機食材の可能性を探る
デトックスプロジェクト
デトックスとは体内に溜まった有害な毒物を排出させる
いわゆる「解毒」のことをいいます。
今回のプロジェクトでは、普段慣行栽培の食材を食べている幅広い世代を対象に
有機食材を提供し、食べる前後でデトックス作用が見られるかを検証し
有機食材の可能性を探求します。
Reasons取り組む理由
理由1
農薬使用量の増加に伴い、発達障害が増えている
図を見ると日本と韓国の農薬使用量が世界の中で群を抜いて多く、また発達障害のかなり多いことがわかります。「日本のものは安全」世間一般ではこう考えられていますが、本当に安全なのかでしょうか?
近年の研究では、ネオニコチノイド系農薬が発達障害に関係していると指摘されており、フランスでは登録された5種類全てのネオニコチノイド系農薬を禁止しています。食に含まれる残留農薬が、私たちの健康に影響を与える可能性があるのなら、その関係性を明らかにしたい。それが当プロジェクトの始まりです。
理由2
福島県有機農業ネットワークでの事例
福島県有機農業ネットワークでは、子育て世代の一般市民を対象に慣行栽培の野菜を食べた時、尿からどれほどのネオニコチノイドが検出されるか北海道大学の協力によって調べました。測定は0.1ppb(ppbは10億分の1)まで行い、有機食材(お米、野菜、卵、豚肉、糀、味噌など)を提供して5日間食べてもらい、再度尿検査をしました。
結果、慣行栽培を食べると合計で5.0ppbのネオニコチノイドが尿から検出されました。ジノテフランが 2.7ppb と最も高く、 次がアセタミプリドの 1.6ppb でした。 他のネ オニコチノイドも人によっては検出されました。5日間有機食材を食べると、合計値が半分以下の2.3ppbに下がり、1ヶ月食べ続けると0.3pppbにまで下がりました。日常から有機食材を生産して自らも食べている有機農家も0,5ppbでした。
福島の検証では、5日間で54%減、一ヶ月で94%減のデトックス効果が出ています。
Status日本と世界の現状
日本:農薬の規制緩和が進行
日本の農薬の散布回数には各都道府県の基準があります。ネオニコチロイド系農薬は、少量で長く効果を発揮するため農薬の散布回数を減らすことができます。例えば、トマトは77回の農薬散布が認められていますが、50%以上農薬を減らせば、特別栽培農産物として販売することができます。
また、生産者にとっても虫の作物被害を減らすことができ、農薬散布などの負担を減らすことができます。
世界の対応とは逆に、日本では残留農薬の規制が緩和されています。
ネオニコチノイド系農薬
アセタミプリド、イミダクロプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、チアクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラムの7種とフィプロニルの計8種。
人や自然の生態系への影響が強く懸念されている殺虫剤。昆虫の脳や中枢神経内にある神経伝達物質アセチルコリンの正常な働きを妨害し、異常興奮を引き起こして死に至らしめる神経毒で、日本でも稲作や野菜・果物の栽培に広く使われている。トンボやカゲロウなど対象とする害虫以外の昆虫や、様々な種類の野鳥、魚、哺乳類の繁殖に、重大な影響を与えている可能性が、最近の研究で明らかになってきた。さらに、発達障害児の急増との関連や母親の体内での胎児の成長との関連など、食べ物を通じた人への深刻な影響の可能性を示す研究結果も、日本の研究者らによって次々と報告されている。
世界:ネオニコチノイド系農薬の使用禁止、規制強化へ
欧州連合(EU)は2013年ごろから徐々に規制を強化。2018年には、日本でも使用が認められている主要ネオニコチノイド系農薬のうち、クロチアニジンなど3種類の屋外での使用を禁止。チアクロプリドも今年4月に農薬登録を失効させることを決めた。フランスは2018年、ネオニコチノイド系農薬の使用を全面禁止した。
米国も2015環境保護庁(EPA)がイミダクロプリドなど4種類のネオニコチノイド系農薬について、新たな農作物への使用や空中散布など新たな使用法を認めない方針を決めた。韓国も、EUが3種類の屋外での使用禁止を決めた直後に同様の措置を講じた。